○後奈良天皇和歌懐紙 
重要美術品
員数:1幅
技法1:書
技法2:紙本墨書
作者:後奈良天皇(1497~1557)
制作年代:室町時代(16世紀)
法量:縦31.0㎝ 横48.1㎝

 後奈良天皇は後柏原天皇の第二皇子で名は知仁。天文5年(1536)に第105代天皇として即位する。当時は朝廷の困窮期であったが、清廉な性格で節を曲げず、和歌や詩文を能くしたという。本書は天皇が詠んだ和歌をしたためたもので、「藻塩草(アマモ)を焼く煙で秋の空が曇り、月が見えなくて恨めしい」という意。
「詠月前煙/和歌/知仁/もしほやくけふりに/くもる秋の空 あ/まのしわさを月やう/らみむ」

 

 

○蓬莱山図
員数:1幅
技法1:日本画
技法2:絹本着色
作者:菱田春草(1874~1911)
制作年代:明治35年(1902)頃
法量:縦120.0㎝ 横48.0㎝

 菱田春草は長野県出身の日本画家。岡倉天心に従い日本美術院の結成に参加する。横山大観らと日本画の新表現を追求、東洋画の気韻の上に自然主義的な色彩感覚を取り入れた没線彩画「朦朧体」を試みた。蓬莱山は中国の伝説に登場する神山で、不老不死の薬を持つ仙人が住むという。本図には海上におぼろげな姿を現す蓬莱山が、柔らかな筆致と淡い彩色によって描かれる。手前には鶴の群れも飛び、神秘的雰囲気が漂う。

 

 

○信楽水指 銘腹鼓
員数:1口
技法1:工芸
技法2:陶磁
制作年代:桃山時代(16~17世紀)
法量:径19.0㎝ 高22.0㎝

 信楽焼は中世以来、近江国(滋賀県)信楽付近で制作されたやきもの。桃山時代頃には茶陶を盛んに生産して茶人たちに愛好された。本品はその水指で、「腹鼓」との銘が付く。下膨れのでっぷりとした形状が、狸の姿を連想させるためか。器表面には各所に長石が吹き出、所々に「ウニ」、そして上部には檜垣文が刻まれるなど、信楽の特徴をよく備える。そして一番の見どころは、なみなみと施されたビロード釉の美しさだ。

 

 

○志野草花文長方形鉢
員数:1口
技法1:工芸
技法2:陶磁
制作年代:桃山時代(16~17世紀)
法量:幅26.0㎝ 奥行24.0㎝ 高5.7㎝

 志野は桃山時代に、美濃国(岐阜県)で制作された美濃焼の1種。長石釉による乳白色の器色がトレードマークだ。それまでの鉢が円形を主流にしていた中で、志野が先駆け的に四方形を導入したことが特筆される。本品は見込に文様を描く四方形の額鉢(皿)。型打ち成形で四方に枠を設け、長石釉を掛けて見込に菖蒲文、周囲の各窓には萩や撫子などの草花を鉄絵によって描く。草花の描写が柔らかくかつ緻密で見事である。

 

 

○根来春日卓
員数:1基
技法1:工芸
技法2:漆工
制作年代:永正15年銘(1518)
法量:幅50.0㎝ 奥行26.2㎝ 高33.0㎝

 根来は中世に繁栄した紀伊国(和歌山県)の根来寺において使用された漆器。仏具や僧侶の日用品としての使用されたことが名の由来という。春日卓とは奈良春日大社で使用された神饌具の一種で、仏殿に香華を供えるための机である。本品は天板に優美な細い鷺脚を4本付け、側面手前と奥に2箇所ずつ、左右には各1箇所ずつ格狭間窓を設ける。天板裏には朱漆で「永正十五年」(1518)とあり、制作年がわかり貴重。