愛宕権現図

作品名:愛宕権現図

員数:1幅

技法1:日本画

技法2:絹本著色

作者:長谷川信春(等伯) (1539~1610)

印章:「信春」朱文袋形印

制作年代:室町末期〜桃山初期

法量(cm):縦81.3 横36.3

指定:石川県指定有形文化財

 

 京都の山城愛宕山朝日の峯に鎮座する愛宕権現は、蓮華三昧経に説かれ、火伏せの神として祀られた。本地仏は勝軍地蔵で、鎌倉時代以降人々の信仰を集め、特に武将の信仰が盛んであった。
 本図は、火焔を背にして甲冑を身に着け、右手に2本の武器を持し、左手に如意宝珠を載せ、正面を向いた乗馬姿という勇ましい姿で描かれている。
 制作年については、当時七尾にも愛宕神社が存在したことが分かっている他、「十二天図」(羽咋市・正覚院)との共通点も多いことから、26歳頃の制作との見方もある。しかし、20歳代後半頃の作品と比較すると、火焔だけを見ても明らかに上達の跡が確認され、全体のバランスも絶妙である。さらに、手の描き方は33歳で描いた妙傳寺本「鬼子母神十羅刹女像」に近い表現であり、仏画の場合は一般的なスタイルがあるものの、正式に上洛したと考えられる30歳代前半から中頃の制作と推測される。
 画面右下に「信春」袋形印が捺されている。