動物たちの浮世絵展
絵師も動物も、人気モノ勢揃い 動物たちの浮世絵展
色々なジャンルの展覧会を開催している夏の特別展です。今年は人気の浮世絵で、夏休みにあわせて親子で楽しめる内容です。国内巡回展のスタートを飾ります。
江戸の人々に親しまれた浮世絵には、しばしば動物たちが登場します。江戸三大ペットの猫、犬、金魚をはじめ、人と共に働く馬、猿から、舶来の象、孔雀、オウム、そして空想の珍獣まで、懐いたかと思えば時には化けたりと、様々な姿が描かれています。
彼らを可愛らしくも、滑稽にも、したたかにも描くのは、歌麿、広重、北斎から、歌川豊国、国貞、国芳、月岡芳年など、誰もが知る人気絵師たちです。
美人画、役者絵、武者絵から幕末の開化絵…。しかし今回は動物たちが主役です。そこかしこに動物たちが登場する浮世絵は、人と動物がともに生きた当時の風俗を今に伝えています。
まさに「浮世絵でみる動物図鑑」ともいえる本展で、ぜひ、浮世絵の楽しみ方を再発見してください。
会 期 | 2023年7月30日(日)~9月18日(月.祝) |
開館時間 | 9:00~17:00 (入館は16:30まで) |
休館日 | 会期中無休 |
観覧料 | ・一般800円(700円) ・大学生350円(300円) ・高校生以下無料 ※( )は20名以上の団体料金。 ※「国民の祝日」は70歳以上の方は団体料金になります。受付にて年齢確認ができるもの(保険証・運転免許証など)をご提示ください。 ※障がい者手帳をお持ちの方と、付き添いの方1名様まで無料になります。(ミライロIDも可) ※大学生・高校生の方は学生証を受付でご提示ください。 |
主 催 | 石川県七尾美術館[公益財団法人七尾美術財団] |
後 援 | 石川県、七尾市教育委員会、NHK金沢放送局、MRO北陸放送、石川テレビ放送、テレビ金沢、HAB北陸朝日放送、エフエム石川、ラジオななお |
監 修 |
中右 瑛 (国際浮世絵学会常任理事) |
企画協力 |
E.M.I ネットワーク |
1章《暮らしの動物たち》
愛玩動物の人気モノは猫、犬、金魚。猫は今と変わらずいたずら好きで、自由気ままな姿が人々の心を捉えました。犬は国産犬の狆(ちん)から異人さんに連れられる西洋犬まで登場します。意外だったのは金魚売りで、実はなんと武士のサイドビジネスでもあったようです。
2章《働く動物たち》
馬や牛の絵からは、暮らしの移り変わりがうかがえます。戦国時代の馬は命を託す戦友、太平の世になると荷運び、牛は農家の大事な働き手、猿は旅芸人と共存共栄の稼ぎ手でした。まさに、人の暮らしに欠かせないパートナーです。
3章《空想の動物たち》
人物や事象をおもしろおかしく、比喩的に描いた戯画、妖怪絵、擬人画。説話などに登場する狐と狸、妖術使いがイリュージョンで生み出したガマや大蛇、安政江戸地震で地震除けに「なまず絵」が大流行。大胆奇抜な発想と抜群のテクニックで、化かしたり怖がらせたりと、絵師の腕が冴えわたります。動物戯画は、今の漫画のような一大ジャンルになりました。
4章《舶来の動物たち》
象や駱駝。当時、本来は日本に生息しない動物を浮世絵で見た人は、空想の珍獣が実在したと驚いたことでしょう。開港した横浜には、象や虎、駱駝が運ばれ、珍しい動物を見れば「御利益が得られる」と噂されるほど、見世物が賑わい、舶来の動物たちを描いた浮世絵も飛ぶように売れました。
5章《肉筆画》
「肉筆画」は肉筆浮世絵とも呼ばれ、江戸時代に成立した浮世絵のジャンルの一つ。錦絵と呼ばれる浮世絵版画と区別して、浮世絵師が自らの筆で直接絹や紙に描いた浮世絵をいい、世界に1点の動物が登場する浮世絵です。
~関連イベント~
◎開会式以外は、大学生以上要観覧券
◎やむを得ずイベント内容に変更が生じる場合があります。
《開会式&特別ギャラリートーク》
【終了しました】
《開会式》
日時:7月30日(日) 10:00~(招待者・一般来場者)
《特別ギャラリートーク》
日時:7月30日(日) 10:30~(45分)
講師:中右 瑛 (国際浮世絵学会常任理事)
※開会式にご参加された方には、記念コースターを1枚プレゼントいたします!
《UKIYOEアニマルぬりえ》
どなたでも5種類のぬり絵からお楽しみいただけます。
好きな色に塗って自分だけのデザインをお楽しみください。
◎色鉛筆・マーカー等の画材はご用意しております。
◎混み合う場合はお待ちいただくこともございます。
◎時間のない方は、持ち帰りもOKです。
《江戸の町にタイムトリップ!記念撮影コーナー》
どなたでも、大型パネルや顔出しパネルで記念撮影ができます。カメラ持参でご来館ください。
◎他のお客様のご迷惑となる行為はおやめください。
◎動画撮影・フラッシュ・三脚のご使用はご遠慮ください。
◎撮影した写真を営利目的で複製・配布することはできません。
~展示作品の一部をご紹介~
「風流五色墨 蓮之 あさかほや不断見てゐる顔も扨」
鈴木春信
「名所江戸百景 浅草田甫酉の町詣」
歌川広重
「風俗三十二相 うるささう 寛政年間処女之風俗」
月岡芳年
「伽羅先代萩 政岡」
三代歌川豊国
「流行浴衣当世揃 十三代目市村羽左衛門の金魚売」
三代歌川豊国
「二十四好今様美人 金魚好」
三代歌川豊国
「今やう娘七小町 あふむ小まち」
歌川豊国
「人間万事愛婦美八掛意 駄 花鳥茶屋の夕照」
歌川国芳
「横浜休日亜墨利加人遊行」
歌川貞秀
「英雄日本水滸伝 近江の阿兼」
歌川国芳
「新板子供遊獣物尽」
二代歌川豊国
「其面影程能写絵 猟人にたぬき」
歌川国芳
「古事猫のよふくはい」
歌川国芳
「美勇水滸伝 虎王丸」
月岡芳年
「新形三十六怪撰 茂林寺の文福茶釜」
月岡芳年
「月百姿 吼噦」
月岡芳年
「当世見立忠臣蔵」
落合芳幾
「新渡舶来大象之図」
歌川芳豊
「金魚玉を持つ娘」
渓斎英泉
「舶来の駱駝」
紀憲 肉筆画
「見立廿四孝 王祥」
歌川国貞
「江戸鯰と信州鯰」
絵師不明
「源氏六條の花」
三代歌川豊国
「流行美人 浅草公園水族館」
楊洲周延
「風流庭子の孔雀」
菊川英山
「狂斎百狂 どふけ百万編」
河鍋暁斎
「龍宮城 田原藤太秀郷に三種の土産を贈る」
歌川国芳
「浅草寺境内ニテフランス大曲芸」
三代歌川広重
※出品作品は全て中右コレクション
※作品画像の無断転載(二次使用など)は禁止します。
~同時開催~
《小特集》 ″涼″ を感じるひととき
当館所蔵品の中核「池田コレクション」より、涼しげな印象を与える作品をセレクトして紹介します。
「青手波に菊図丸小皿 古九谷」
江戸前期(17世紀)
「金魚図」大橋翠石
大正~昭和前期(20世紀)
「象嵌糸印紋水鳥置物」高橋介州
昭和時代(20世紀)
※作品は全て池田コレクション