2023長谷川等伯展~水墨の美技と、一門の俊英と~
「いしかわ百万石文化祭2023」七尾市プレイベント 令和5年度春季特別展
長谷川等伯展 ~水墨の美技と、一門の俊英と~
能登七尾出身で桃山画壇に大きな足跡を残した絵師・長谷川等伯(1539~1610)。郷里が生んだ巨匠である等伯は、「能登ゆかりの作家や作品の紹介」をテーマとする当館にとって最も重要な人物のひとりです。従って当館では平成8年より「長谷川等伯展」をシリーズで開催、等伯や「長谷川派」絵師たちの作品や人物像などを幅広く紹介してきました。
その「長谷川等伯展」も、おかげさまをもちまして本年で28回目の開催となります。今回は「等伯の水墨画」と「長谷川派の絵師たち」に焦点を当てた3テーマ構成としました。そして計27点の貴重な名品や関連する資料を展示することにより、等伯や「長谷川派」絵師たちの画業に迫ります。
~関連イベントの紹介~
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- 日時…2023年5月14日(日) 午後2時より約1時間30分 (開場:午後1時30分)
- 会場…当館アートホール
- 講師…北 春千代(当館館長)
※ご講聴の方に「等伯関連絵ハガキ」を1枚プレゼントします。
※やむを得ずイベント内容に変更が生じる場合があります。
会 期 | 2023年4月29日(土.祝)~5月28日(日) |
開館時間 | 9:00~17:00(入館は16:30まで) |
休館日 | 会期中無休 |
観覧料 | ・一般800円(700円) ・大学生350円(300円) ・高校生以下無料 [2023/4/1より高校生以下が無料となりました] ※( )は20名以上の団体料金 ※「国民の祝日」は70歳以上の方は団体料金になります。受付にて年齢確認ができるもの(保険証・運転免許証など)をご提示ください。 ※障がい者手帳をお持ちの方と、付き添いの方1名様まで無料になります。 (ミライロIDも可) ※大学生・高校生の方は学生証を受付でご提示ください。 ※専門学校生の方は一般料金になります。 |
主 催 | 石川県七尾美術館[公益財団法人七尾美術財団] |
特別協力 |
北國新聞社 |
後 援 | 石川県、石川県教育委員会、七尾市教育委員会、NHK金沢放送局、MRO北陸放送、石川テレビ放送、テレビ金沢、HAB北陸朝日放送、エフエム石川、ラジオななお |
《テーマ1》「源流-能登長谷川四代」
幼少時の等伯が養子に入ったと伝わる長谷川家は、七尾城下に居を構え染物業と絵仏師を生業としていました。現存作品からは、同家には等伯のほかに養父の宗清(1507~71)や養祖父との説もある無分(生没年不詳)、そして等伯京都移住後に家業を継承した一族とも目される等誉(?~1636)といった、ゆかりの絵師たちの存在が窺われます。本テーマでは彼ら「能登の長谷川派」絵師たち4名の作品を紹介します。
《テーマ2》「雄渾-等伯の水墨世界」
若年時は鮮やかな彩色による仏画などを数多く制作した等伯ですが、後年ほど水墨画の増加傾向がみられます。そこには等伯にとって、自らが追求する「画道」には水墨画こそふさわしい、という信念があったからなのでしょうか。ためか50~60歳代にはいずれも代表作というべき、名だたる水墨画の傑作を数多く描いています。本テーマでは等伯の水墨画に着目し、若年期より60歳代頃までの作品を紹介します。
《テーマ3》「広範-長谷川派の展開」
絵師集団「長谷川派」を率いた等伯の周辺には、いずれも絵師となった4人の息子をはじめ数多くの弟子たちが活躍していました。資料が少なく、彼らの足どりははっきりしません。しかし伝来する多彩な作品群からすると、どうやら等伯没後も彼らは一定の勢力を保持し、等伯ゆずりの画技を以て広範かつ旺盛な制作活動を繰り広げていたようです。本テーマでは、「長谷川派」絵師たちが手掛けた作品を展示します。
~展示作品の一部をご紹介~
□「仏涅槃図」 無分筆
室町時代(16世紀)制作
七尾市・長壽寺蔵
△「宝塔絵曼荼羅図」 長谷川宗清(道浄)筆
室町時代(16世紀)制作
氷見市・蓮乗寺蔵
「十六羅漢図」(部分) 長谷川等誉筆
江戸時代(17世紀)制作
個人蔵
「鬼子母神十羅刹女像」 長谷川信春(等伯)筆
元亀2年(1571)制作
富山市・妙傳寺蔵
◎「山水図襖」(部分) 長谷川等伯筆
天正17年(1589)制作
京都市・圓徳院蔵
△「豊干・寒山拾得・草山水図座屏」(豊干面)
長谷川等伯筆
桃山時代(16世紀)制作
京都市・妙心寺蔵
「龍虎図屏風」(左隻) 長谷川宗也(新之丞)筆
江戸時代(17世紀)制作
京都市・相国寺蔵
「南蛮屏風」(右隻) 長谷川派筆
江戸時代(17世紀)制作
神戸市立博物館蔵
※右隻は前期(4/29~5/13)展示
※◎…国指定重要文化財、□…石川県指定有形文化財、△…市町村指定有形文化財
《同時開催》
志野・織部・唐津 ~桃山に花開いたやきもの~
当館所蔵品の中核「池田コレクション」より、桃山時代を代表するやきもの、志野焼・織部焼・唐津焼の作品を紹介します。
「志野山水人物図中鉢」
「織部手付水注」
「絵唐津串団子文筒向附」
※作品は全て池田コレクション